【01】はじめに私は、私の棚卸しをしようと思った。
子どもの頃、高校野球の男の子たちは随分おじさんに見えた。
黒々とした体格の良い球児たちは、わたしにとっては少年というよりも工事現場や肉体労働環境にいる屈強な男たちに見えた。
流石に自分自身が31歳にもなって、彼らをおじさんだと思うのは失礼な話なのだが、今でも高校球児たちを見るとその時の感情を思い出す。
そんな子どもにとって30代の大人は、「大人」だった。文字通りに。
何者でもない自分にとって「高校球児」や「大人」は完全に「何者か」であると感じた。
当然わたしも「大人」にいつかなるのだろうと思っていた。
高校球児と大人たちは、少女時代の私の目には似たものとして映っていたのかもしれない。自分がまだ到達しないところにいる存在として。
いよいよ自分が30代に突入して、物理的な年月だけが過ぎていったことに恐怖を感じた。あの頃想像していた「大人」になれたかどうか、よくわからない。
もっと計画的に過ごしていたら、仕事も恋も自分自身も何か変わっていたのかな。
自分のふわっとした「こうありたい」と思う想像の中にあるものを、ゆっくり、丁寧に、現実に近づけていくために、文字に起こすことで一度棚卸しをしたいと思った。ミーハーで、好きな人やものが多すぎて気が多いと自分では思っているけれど、多分根底にあるものは変わらなくて、それをこれからの私の人生の課題にしていきたいと思った。
動機はそんなところ。
きっかけはコピーライティングと仕事やめたい欲。
<わたし>
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